原田 成美 (H30)

 大学院に進学し基礎研究を始めて3年目になりました。
 私が所属する分子薬理学講座では、主に鉄代謝やHippo経路、がん免疫についての研究が行われています。従来のがん治療はがん細胞への細胞障害性により抗腫瘍効果を得ていましたが、近年免疫チェックポイントなど宿主の免疫原性を高めるような治療が新たに行われています。その中で私は現在、修飾した金ナノ粒子を用いて、宿主の抗原特異的な抗腫瘍免疫応答を誘導することができるかということをテーマに日々研究を行っており、がん免疫・がん微小環境など直接臨床にもつながる内容の勉強をしています。
 実験では結果が出ないことが多く、その都度フィードバックを行い、また実験するというトライアンドエラーをひたすら繰り返しています。入学した当初は、臨床との環境の違いや考え方の違いに戸惑うことが多々ありましたが、研究室の方々に指導していただき何とか研究を継続できています。
また、所属する研究室は半数以上が留学生でそれぞれの母国語が飛び交い、いろんな国の文化に触れることができます。ミーティングなど全員が参加するイベントの公用語は英語で、日本にいながら英語も学ぶことができるのも大学院ならではだと思います。といいつつも、せっかく英語を話す環境にいるのになかなか英語力が向上しないのが最近の悩みです。
 院生生活は残り約2年となりましたが、大学院に入っていなかったら学べなかったことに日々触れ、今後の医師人生のプラスになるよう邁進していきたいと思います。
皆さんも選択肢の一つとして大学院を考えてみてはいかがでしょうか。